2017年10月03日

黒猫が飛び立った。

黒猫は、背中に魔女を乗せて
飛び立った。

生まれて間もないその魔女は、
由緒ある血筋で
本来なら、黒く深い森の魔女宮で
すやすやと眠っていれば
良いはずであった。

しかしながら、その森を挟んだ二つの国が、
愚かな争いをもう何年も繰り広げ
戦火の一部が森を焼くほどになってきた。

魔女の中には、陳腐な魔法や秘薬で、
この混乱を煽り、
人間の愚かさを面白がるものもいたが、
この森に被害が及ぶに至り、
大魔女としては、
終焉に向う手を打たねばならなくなった。

これから起こる大変なことの前に、
大魔女は、この小さな魔女を
西の白い森の魔女のところに
預けることにした。

三万里離れたその森まで魔女を載せて飛べるのは、
黒猫の中でも限られたものだけだった。
三百年は生きただろうか、赤い瞳を持った大きな黒猫は、
大魔女の命を受け飛び立った。
満月に少しばかり足りない、
猫の目の形をした月の夜に。

革 黒猫と魔女.JPG
*******
ガラスで目玉を作り、革の猫と魔女にはめ込みました。
西荻窪 ニヒル牛さんへ 納品。
posted by say-go at 22:28| 東京 ☁| Comment(0) | ハロウィン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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